先日(11月23日)、全斗煥元大統領が亡くなった。90歳だった。全斗煥氏とともに軍人から政治家に転身し、全氏から政権を受け継いだ盧泰愚氏も10月26日に88歳で死去していた。
全斗煥氏は功罪ともに大きな大統領だった。開発独裁と言われた朴正熙大統領の経済発展路線を引き継いで韓国経済を大きく成長させ、ソウル・オリンピック(1988年)開催の準備もしっかり行った。一方、反体制派や民主化を求める学生らを厳しく取り締まり、多数の死傷者を出した1980年の光州事件のような不幸な出来事もあった。
全氏は生前、光州事件に関する謝罪を拒み続けていた。李順子夫人が27日、「夫の在任中に苦痛を受けたり傷ついたりした人々に対し、夫に代わって特におわびする」と謝罪した。全氏側から謝罪の言葉が出たのは、これが初めてのことだった。
この「代理謝罪」について、李在明は、具体的な謝罪対象の言及がないことから、「最後の瞬間に至っても、光州市民を愚弄する発言をしたと思われ、実に残念だ」とし、尹錫悦は「特に申し上げることはない」とした。
一方、与党・共に民主党のユン·ホジュン院内代表は、この2日前の25日、国会で開かれた院内対策会議で「全斗煥氏は最後まで謝罪せずに去った。しかし死をもってしても歴史と正義の審判から逃れることはできない。全氏の残り追徴金を徴収するための〈全斗煥追徴法〉を推進する」と発表し、こう説明した。
「現行法では追徴判決を受けた者が追徴金を納付せずに死亡した場合、財産相続は行われるが、債務の性格である追徴金は相続されない。全斗煥氏の場合もそうなるだろう。しかし、違法行為は死んでも違法だ。 憲法と現行法体系の枠組みを尊重しつつも、全元大統領のように賄賂による巨額追徴金を故意に納付しなかった場合、死亡後も回収できるよう法制定に乗り出す。キム·ギヒョン国民の力(最大野党)院内代表も我が党の提案を積極的に検討すると言ったので、この法制定には大きな問題はない」
●時事ジャーナル
全元大統領は1997年に最高裁で2205億ウォンの追徴金を命じられた。しかし、その半分に近い約956億ウォンは未納だ。
国民の力(最大野党)が、この遡及法の制定を「積極的に検討する」という立場なのかは不明だが、現在、次期大統領選挙をめぐって両陣営は激しくせめぎ合っている。
「国民の力」は27日、民主党の李在明候補が自党の尹錫烈候補について「3無」(無能·無知·巫女)と批判したのに対し、「李在明こそ3無(無法·無情·無恥)の元祖だ」と真っ向から言い返した。
李在明側の言う尹錫烈の「3無」とは、「無知」(国政は何カ月か一夜漬けで勉強したからといって運営できるものではない)、「無能」(他の人(専門家)任せでもダメ。国家の責任者が無能であることは犯罪)、「巫女」(ムーダンの「ム」が「無」と同じ音、党内での討論の場で、尹錫烈が手のひらに〈王〉の字を書いていたことをあげつらい、変な師匠を頼り、国の未来を巫女に任せてもいいのか)で、自分は「3実」(実力·実践·実績)を備えた立派な大統領候補だということだった。
一方、尹錫悦側は、「無法」(目的のために手段と方法を選ばない)、「無情」(甥が犯した極悪犯罪に犠牲になった家族への同情がない)、「無恥」(弱者を踏みにじった組織暴力団の弁論で〈組織暴力団だとは知らなかった〉と平然と言ってのけ、羞恥心がない)と、李在明の「3無」について説明し、
「無法、無情、無恥の大統領が出現すれば、韓国はどれほど大きな混乱の修羅場と化すか、李候補と民主党は今からでも候補交代を真剣に考えてほしい」と訴えた。
●聯合ニュース
李在明の甥が犯した極悪犯罪というのは、2006年5月にソウル江東区(カンドング)で起きた「母娘殺人事件」。 定職を持たない李候補の甥との交際に元恋人の親が反対し、女性も親の説得に従い、2人は別れることになった。これに甥が逆上し、女性と親を殺してしまうことを思いついた。そして、刃渡り33センチの包丁と透明テープ5個をスーパーで購入して、女性の家を訪れた。女性と母親の手をテープで縛り、包丁で元恋人と母親を滅多刺し(それぞれ19回と18回)して殺害した。 元恋人の父親は逃げ出し、マンションの5階から飛び降りて重傷を負った。李候補はこの事件の裁判で甥の1·2審の弁護を担当、07年2月、無期懲役が確定した。 李候補は裁判で「甥は衝動調節能力が低下し、心神耗弱の状態にあった」とし、減刑を主張した。
●朝鮮日報
それから、李在明は日韓間の懸案についても、とんでもない発言をしている。
25日、ソウルで行った外国メディアとの会見で、旧朝鮮半島出身労働者の問題で「解決には、まず日本の謝罪が必要だ」と。そして「(日本は)軍事大国化を夢見ている。歴史問題で事実を認めず、心からの謝罪もしていない」と続けた。
旧朝鮮半島出身労働者の問題は1965年の「日韓請求権協定」で、日韓間では解決済み。あとは、韓国内で解決すべきこと。韓国内で、どのように解決しようと、それは自由。
「全斗煥追徴法」にせよ、旧朝鮮半島出身労働者問題での日本への追及にせよ、発想の根本にあるのは無法。
尹錫烈側の李在明への批判は正しい。(李在明側の尹錫烈への批判も間違っているとはいえないのだが…)
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