「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」(平成26年国土交通省観光庁が発行)なるものを読んでいて、また、日本の固有名詞をハングル表記する「不必要性」を感じる事例を発見した。
それは「二条城」の表記。(同ガイドライン 19ページ)
これ、日本語でも舌を噛みそうですよね。
簡体字表記はそのまま「二条城」。
で、ハングル表記は、「니조죠 성」とするとのこと。
これは、半角スペースの左3文字がニジョジョ(ハングルは長音表記をしない)で、右が「城」。
しかし、ハングルは表音文字なので「성」は、生、性、声、姓、成、省、聖、誠…、どの漢字か不明。
英語表記を見て確かなこと(どの漢字か)が分かるんです。(笑い)
Nijo-jo Castle
なんで、こんな表記になるのかというと、
「普通名詞部分を切り離してしまうと、それ以外の部分だけでは意味をなさなかったり、 普通名詞部分を含めた全体が、不可分の固有名詞として広く認識されている場合には、全体の表音表記に加えて普通名詞部分の表意を半角スペース を空けて表記する」
という規定から。
(これも、漢字文化圏の韓国人に対しては、まったく不要な過剰な配慮だ!)
英語なら「Castle」で意味がぱっと分かるけど、しかし、ハングルで「성」とだけ、とってつけたように記してもねえ…。
韓国人には、
二条城 Nijo-jo Castle
この漢字と英語だけで十分!(いや、漢字だけでもOK)
漢字の「城」くらい、ふつうの常識のある韓国人なら、中学生でも分かるわ!
韓国は言わずと知れた漢字文化圏。
城郭、城門、城東、城壁、籠城、開城…。
ぜ~んぶ、日本と同じ。「城」で作った漢字語は今でもたくさん使われているんですから!
ちなみに、私は何度か韓国人をこちらに案内したことがあるのですが、だいたいみんな 「二条城」の「 二条」を「イジョ」と韓国の読み方で読んで、「ソン」(城)をくっつけ、「イジョソン」と読んでいましたね。