篠原常一郎さんがどこからか入手して月刊Hanada2019年10月号誌上で公開した文在寅らによる金正恩宛「忠誠誓詞文」。
これがまったくデタラメであることを、私はすでに指摘した。今年4月のことだ。
■月刊Hanada(2019年10月号)篠原常一郎氏のスクープ、文在寅らによる金正恩宛「忠誠誓詞文」の真実 韓国メディアはこれをどう扱ったか?
それから、念のために、きのう、韓国の情報の専門家の見解も提示した。
■篠原常一郎氏のスクープ、文在寅らによる金正恩宛「忠誠誓詞文」(月刊Hanada2019年10月号)についての韓国専門家の見解
篠原さんは「スクープ」を出した当時、動画でこう話している。
1810 韓国の国内から切なる願いで「ぜひこれを発表してほしい」と。韓国内で発表しようという動きはあったけれど、今、韓国内のマスコミは全部、左派に抑えられていてダメなんですね、報道もされない。(略)「国内では無理だから国外に持ち出して国外から発信してもらってそれが各国にも伝わるし、逆に韓国に輸入されることを期待しているんですね。(略)そういう面では、私はある歴史の局面にこういう形で関われたというのは本当に稀なことであり、しかし、私もリスクを負うことになると思いますが~
2042 私は本当に、自分の身命を賭して戦っているつもりですが、ぜひ読者の皆さんも受け止めていただきたいし、ぜひ今回のHanadaだけは手にして読んでいただきたいし、疑問があったらぶつけてほしいし、話し合っていただきたいなと思います。
■文在寅大統領 朝鮮労働党員疑惑が発覚!(2019/08/26)
「私は本当に、自分の身命を賭して戦っているつもりです」と、篠原さんは自分に酔ったような熱い口調で話しているが、こちらは当惑するばかりだ。
この「忠誠誓詞文」は、篠原さんのスクープ記事が出る2年以上も前、2017年6月にニュースタウンというインターネットメディアで公開され、それ以降、今も、誰でも見ることができる状態なのだ。
■ニュースタウン「[驚愕]40余りの従北団体、金正恩に6.15忠誠盟誓文」
この「忠誠誓詞文」なるものは、ニュースタウンというインターネットメディア以外の韓国メディアでは黙殺された。この文書は出所不明で信じられないと判断して取り上げなかったのだ。「左派に抑えられていてダメ」などという理由ではない。
篠原さんは「かつての左派活動家たちのグループ」から人を介してこの文書を入手したと、具体的な入手先を明かしていないが、篠原さんにこの文書を持ってきた人物は、これがもう2年前に韓国のニュースタウンに掲載されたものの他の大手メディアでは相手にされなかったことをよく知っていた。
私は、それで当初、朝鮮問題に関してはド素人の篠原さんがこの人物にひっかけられてしまったと考えた。
しかし、はたして、そうだったのか?
★山本光一の著書「中国に呑み込まれていく韓国」もぜひご一読ください!
こういう可能性もあると思う。篠原さんは、この人物から「すでにニュースタウンというメディアで公開されている」ということを告げられていた。が、当時、大きな話題にはならなかったし、もう2年も前のことだ。この文書は「韓国内で発表しようという動きはあったけれど、今、韓国内のマスコミは全部、左派に抑えられていてダメなんですね、報道もされない。(略)国内(韓国)では無理だから国外(日本)に持ち出して国外から発信してもらって~」ということにしても大丈夫だろう、と考えて、月刊Hanadaに持ち込んだのではないか?
だとすると、非常に悪質だ。月刊Hanadaやたくさんの読者を騙したのだから。
動画での迫真の演技も、すごいというしかない。
「私はある歴史の局面にこういう形で関われたというのは本当に稀なことであり、しかし、私もリスクを負うことになると思いますが~」
篠原さんは、これを売名に利用し、その目的は十分に果たした。月刊Hanada19年10月号は瞬く間に完売。ユーチューバーの篠原さんはたくさんのチャンネル登録者を獲得した。
ところで、この文書はすでに韓国で公開されて久しいもので、多くの韓国人がフェイクと判断したものを、日本という国外で出しただけなので、リスクなど、最初から、ない。
しかし、別の意味で、リスクはある。それは日本人の篠原さんへの信用を大きく低下させるリスクだ。
こんな詐欺まがいの行為をしていいのか?
「疑問があったらぶつけてほしい」とのことなので、そうする。疑問を呈す。篠原さんには、ぜひ、得意の動画配信で答えてほしい。
この「忠誠誓詞文」なる文書を月刊Hanadaに持ち込んだとき、これがすでに韓国で2年前に公開され、公開中にあることを知っていたのかどうか。
知っていたのなら、知っていて月刊Hanadaやたくさんの読者を騙したことをどう考えるのか、説明してほしい。
知らなかったのなら、ネット上で誰でも見ることのできる記事を確認しなかったことをどう考えるか、説明してほしい。
篠原常一郎さん、答えてください。