またも粛清か? 金正恩、叔父の金平一(チェコ大使)を平壌に呼び戻す

投稿者: | 2019年11月7日

北朝鮮で、また、怖ろしい粛清の動きが…。

韓国の情報機関、国家情報院は4日、国会情報委員会の国政監査で「北朝鮮が、金平一チェコ大使とキム・グァンソプ/オーストリア大使を交代させることにし、彼らはまもなく帰国するとみられる」と明かした。

金平一(「一」は「日」と表記されることもある、読みはキム・ピョンイル)は1954年に金日成主席と2番目の夫人、金聖愛の間に生まれ、金正恩からすると叔父(金正日からすると、腹違いの弟)にあたる。キム・グァンソプは金平一の姉、キム・ギョンジン(1951年生)の夫。

2人とも、長くヨーロッパに滞在していた。金平一は1988年からハンガリーに大使を皮切りに、ブルガリア、フィンランド、ポーランド大使を経て、2015年からチェコ大使を務めていた。キム・グァンソプも1993年からオーストリア大使を務めるなどしてきた。

●中央日報 2019.11.05.
悲運の皇太子、金平一を召喚…金正恩、小枝の剪定を終える

中央日報は、複数の政府当局者の話として、こう記している。

・北朝鮮は通常、海外公館の大使を3~4年で交代させる。しかし、金平一とキム・グァンソプは1980年代後半からずっと海外で勤務してきた。今回、およそ30年ぶりに帰国する。
・金正日は生前「大使は年を年を取っていたほうがいい」と言い、以後、大使の年齢制限は事実上、なくなった。特に、金平一とキム・グァンソプのようなロイヤルファミリーは外交業務より海外滞在自体が目的だったため、今回、金正恩が2人を呼び寄せた可能性が高い。
・2人は「小枝」と呼ばれ、海外を転々とする悲運の人物と見られていた。しかし、彼らが平壌にいると、権力の周辺で過ごすことになり、さまざまな「雑音」が生じるおそれがある。そういう状況を避けるために、海外で生活させてきた。
・だが、金正恩は、むしろ2人が海外にいるほうが問題を起こしかねないと判断したようだ。
・2人の帰国により、金正恩は「小枝の剪定」を完了したと解釈できる。

「小枝の剪定」というのは、唯一の権力者、金正恩を主枝、金平一とキム・グァンソプを側枝、つまり小枝とみて、主枝を残し、側枝を切り落とすということ。

実際、金正恩は、2013年に叔父の張成澤を処刑し、2017年には腹違いの兄の金正男もマレーシアで殺害した。(金正日の妹で張成澤の妻だった金敬姫も毒殺したとされる)

しかし、これまで朝鮮半島から遠く離れたヨーロッパで暮らしていた2人を、ここで、あえて帰国させたのはなぜか?

中央日報は匿名の脱北者のこういう見方を紹介している。
「西側のメディアや情報機関のターゲットになるのを避けるために、2人のロイヤルファミリーを平壌に呼に戻した可能性が高い」

これで、思い浮かぶのは、ことし4月に起きた反北朝鮮団体「自由朝鮮」によるスペイン・マドリードの北朝鮮大使館を襲撃事件だ。このとき北朝鮮大使館からPCやHDが搬出され、多くの機密情報が「自由朝鮮」からFBIなどに渡ったとされる。

さて、平壌に戻ったあと、金平一とキム・グァンソプはどうなるのか?
金暎浩教授(誠信女子大)は「金正恩は、粛清を断行するか、命は残し、外部との接触を完全に遮断して’透明人間’として生かすか、どちらかだろう」という。
●「世相を読む」 2019.11.7
白頭血統の金平一を召喚粛清、金正恩に対するクーデタを触発するか?

金暎浩教授は、動画で、こういう話をした。

「金正恩には、祖父金日成と撮った写真が1枚もない。なぜか? 正恩の母、高英姫は元在日朝鮮人で、万寿台芸術団の舞踊家だった。(喜び組の1員でもあり、そこで金正日に見初められて、3番目の妻となった)張成澤と金敬姫(金日成の娘、金正日の妹)は高英姫を嫌い、特に金敬姫は幼い正恩を金日成に会わせなかった。母が純粋な朝鮮人ではないこと、祖父金日成から疎遠にされたことは、正恩にとって「血統」の面で大きなコンプレックスになっている。

一方、金平一は対照的だ。身長が180㎝あり、大らかな性格で金日成と似ている。金日成にかわいがられ、金日成は生前、党は正日(兄)に、軍は平一(弟)に任せたいと考えていた。が、金正日が権力を握ると、平一は東欧に流配された。正日がライバルとして恐れたからだ。

正日の死後、権力を受け継いだ正恩も同じ理由で平一を警戒し、東欧に置き続けた。正恩は権力を握ると、多くの幹部を粛清した。その数は、李英鎬元朝鮮人民軍総参謀長ら100人以上にもなる。そこには張成澤と金敬姫も含まれる。正恩の周辺の幹部たちは恐怖から付き従っているが、平一を粛清したら、どうなるか? ついに宮廷クーデタが起きる可能性もある」

金平一は粛清されるのだろうか?
張成澤や金正男のケースからみるに、殺される可能性は十分あるだろう。

が、金正恩だって、いつまで生きていられることやら…。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。