今年(2022)年、9月5日から6日にかけ、台風11号が韓国の南部と東部の沿岸部を通過し、各地で大きな被害が発生。少なくとも10人の命が失われた。
台風の直撃を受けた浦項市では、マンションの地下駐車場に閉じ込められた7人が浸水によって死亡した。(2人救助)
この事故では母(52)と息子(15)が生死を分かつ悲劇があった。
ことの詳細が父によって明かされると、多くの韓国民が目頭を熱くした。
6日朝7時頃、浸水から車を守るために駐車場の車を地上に出そうと地下駐車場に降りた母。運転席に座ったものの、急激に増えた雨水に車を動かせず、ドアも開けられなくなってしまった。
おそらく携帯で息子を呼んだのだろう。そこへ息子が駆けつけ、ドアを開けて、母を車の外に出した。
そのとき水はもう胸まで来ていた。母は肩が不自由で泳げなかった。
「おまえだけでも生きて」と、母は息子に、自分を置いて出口に向かうよう命じた。逡巡する間はない。息子はその言葉に従った。
その後、母は天井近くに30cmほどのエアポケットを見つけ、配管にしがみついて耐えた。
そして約14時間後の6日夜9時41分頃、意識のある状態で救助され、病院に運ばれた。2人救助されたうちの後のひとりだった。
しかし、息子は脱出の途中で命を落としてしまった。
息子は母と別れる時、「育てて下さってありがとうございました」と挨拶したという。
病院で悲しい知らせを聞いた母は、茫然自失となった。
この夏、韓国では豪雨による浸水で亡くなる人が相次いだ。
2本の動画をアップしました。ぜひご視聴ください。
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