ハンスト中の黄教安(第一野党代表)「ひとつの山(GSOMIA延長)は越えたが、まだ続ける」

投稿者: | 2019年11月23日

きのう(11月22日)、GSOMIA(日韓の軍事情報包括保護協定)が、期限切れ失効(23日午前零時)の直前、午後6時に電撃的に延長された。

韓米防衛費分担金をめぐる交渉と関連して米国を訪れていた羅卿瑗院内代表(ナ・ギョンウォン 女55 第一野党、自由韓国党)は予定を1日早めて23日午前、韓国に帰国、黄教安代表(ファン・ギョアン 62 自由韓国党)がハンガーストライキ(断食籠城という)をしている大統領府前に向かった。

●国民日報
訪米日程を繰り上げて帰国した羅卿瑗院内代表がハンガーストライキ中の黄教安代表のもとを訪れて語ったこと

ハンスト4日目に入った黄教安代表と会った羅卿瑗院内代表は、黄代表の手をしっかり握り、「延期が決定されて本当に良かった。黄代表が決定的な役割を果たした」とねぎらった。これに対し、黄代表は、「実は(ハンストを)始めたきっかけは選挙法の改正案だった。しっかり闘おう」と答えた。

記事によると、この場で、羅院内代表は記者たちに、こう語った。長い記事なので要点だけ。
・米国で、韓国の多くの国民が韓米同盟を重要視していることや、黄代表の意思をしっかり伝えてきた。
・黄代表の意思を伝えるために院内でも最善をつくす。
・黄代表は救国の決断からハンストを続けている。
・野党代表がこうしてハンストに至ったことについて、本当に胸が痛み、健康が心配だ。
・文在寅政権が黄代表の言葉に耳を傾けてくれることを再び促す。
・黄代表の考えは、GSOMIA破棄反対、選挙法改正案と高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置法案の阻止だが、これはすなわち自由韓国党の意思であり、韓国を心配している国民の意思だ。
・この意思を貫けるよう、国会でひとつひとつ議論し、解決すべき部分を解決していく。
・定期国会が終了するまで、与党と様々な議論をし、交渉を続ける。

同日午前5時の帰国直後、仁川国際空港では、こう語っていた。
・危険な安保賭博が止まったことは幸いだ。
(危険な安保賭博が)止まることになったのには黄代表が決定的な役割を果たし、米国の圧迫が通じたと考えている。
・韓日の葛藤の問題とGSOMIA問題は分離することが、今後の防衛費交渉や国益にも役立つということを、早く認識してほしい。
・韓米同盟を重視する大多数の国民がいることを米国が明確に認識し、もう少し合理的な根拠を持って防衛費交渉を進め、交渉過程で様々な葛藤があったとしても、在韓米軍の撤収や削減という限界点まで進んではならないという点を明確に伝えた。
・(訪米の成果について)米議会では、トランプ政府の防衛費交渉が韓米同盟に影響を及ぼしてはならないということでかなり共感を得た。
・米政府にも十分に我々の意見を伝えた。
・これと関連して、下院外交委と軍事委が宣言文の発表など、追加的な行動をすることを約束してくれた。

黄教安代表のハンストは20日、GSOMIA破棄を決めた文在寅政権に対する抗議の意味で始まった。

これまで昼は、大統領府前の噴水台広場で過ごし、夜は国会に移って断食を続けてきた。22日夜は、初めて大統領府の近くにテントを張って、徹夜の座り込みをした。文在寅大統領の警護の問題から(噴水台広場には)天幕などを設置できないため、黄代表は、大統領府から100mほど離れた所にテントを設置して、夜を過ごした。午前に再び大統領府前の噴水台広場に移動し、断食を続けている。

文在寅大統領は、GSOMIAの延長を発表した後、秘書官を送って、黄代表にハンストをやめるよう伝えた。しかし、黄代表はまだ続ける意思を示した。

キム・ミョンヨン自由韓国党首席スポークスマンはこの日、「今、ひとつの山を越えた」とし、「黄代表は、公捜処設置法、連動型比例代表制選挙法を阻止するため、断食を続ける」と立場を表明した。

ところで、日本では、ハンストというのはもともとあまりなかったし、この頃はすっかり聞かなくなったが、韓国では、今もよく行われている。

黄代表の行為は、李朝時代の席藁待罪(ソッコテジェ)を想起させる。

席藁待罪というのは、王宮の前で、藁の筵を敷き、そこに白装束で座して王の処罰を待つ、というものだったのだが、韓流時代劇では、自分の主張を通すパフォーマンスとして、よく描かれている。

国会などでまともな議論のできない韓国の政治風土では、たくさんの群衆を集めて大きな声を上げるデモや、こういうハンストのようなパフォーマンスによって、相手に大きな圧力をかけて自分の意見を認めさせようとすることがよく見られる。

そういう文化の人たちだ、ということを、日本人は肝に肝に銘じるべきだ。


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