やっと日本が本気を出したと喜んでいたのだが、なんか、嫌な雰囲気が漂い始めた。まだ、その雰囲気はかすかではあるが…。
NHKの報道によると、経済産業省は、今回、措置の取られた半導体の原材料などの韓国向け輸出に関する審査の期間は、標準で90日程度かかるのだが、「日本企業と韓国企業の双方の管理体制が適切で、軍事転用のおそれがないことが確認できれば、速やかに許可を出す方針」と明かした。
●NHK 2019年7月18日 16時17分
韓国への輸出規制 軍事転用のおそれなければ輸出許可へ
ここで気になるのは「軍事転用のおそれがないことが確認できれば、速やかに許可を出す」という部分。
「速やかに」(許可を出す)と、あえて記している。恣意的に審査を引き延ばされるのでは、という韓国と日韓の関連企業の懸念を念頭に「90日もかからないよ」と匂わす意図からではないのか…。(こうは考えたくないのだが)
このNHKの報道に、韓国メディアは敏感に反応し、聯合ニュースなどが一斉に、それこそ「速やかに」報じた。
●聯合ニュース 2019-07-18 18:44
NHK ”日本、軍事転用の恐れがない”と確認したら、速やかに(原文は「迅速に」)輸出許可の方針
で、この報道に対する韓国側の受け止め方だが、中央日報と世界日報が報じていて、世界日報のほうがくわしいので、そちらを引用する。
日本経済産業省は、今回の規制はいわゆる”禁輸措置”ではないとしてこのように明らかにしたと、NHKが伝えた。
日本は今月4日から、フッ化ポリイミドなど3品目に対する輸出規制に乗り出し、韓国企業と輸出契約をする度に90日ほどかかる審査手続きに入っている。
NHKの報道によると、経済産業省は、両国企業の管理体制が適切で軍事転用の恐れがないことが確認されれば、審査手続きを短くして(原文でNHKの文に追加)、速かに輸出を許可するとのことだ。
これをめぐり、日本の強硬一辺倒の基調が多少柔軟に変化したのではないかという観測が一部で提起されている。
しかし規制撤回ではないという点で、”安保上の目的で輸出管理運営を再検討した”という従来の立場を繰り返したに過ぎないという分析が優勢だ。
韓国外交部(省)と産業通商資源部はNHKの報道と関連し”輸出規制や許可手続きに関する政府間の対話はなかった”とし“許可を’速やかに’出す方針という通報も受けていない”とした。
●世界日報 2019-07-19 06:00:00
半導体素材の輸出許可? 2次報復?… 平行線上の日本の本音は?
さっそく「日本の強硬一辺倒の基調が多少柔軟に変化したのではないか」という期待を込めた見方が出てきているといううのが、なんとも韓国らしいというか、日韓のいつものパターンというか…。
ちょっと心配になってきたが、審査は厳重にやって、「韓国のどこそこの工場でどれだけの半導体を生産するのでこれだけはどうしても必要だ」と、しっかり証明されたものだけを許可するようにして、使用目的が不明なものや曖昧なものは絶対、許可しないという姿勢を貫いてほしい。
審査に当たる現場の人たちはしっかりやってくれると信じている。