今回、シンガポールで行われた日米韓防衛省会談について、韓国の聯合ニュースがこのように報じた。
●聯合ニュース
韓米日国防相”非核化への外交努力で緊密に協力”国連決議の徹底履行”
送稿時間|2019-06-02 13:20
韓国と米国、日本の国防長官は2日”韓半島の完全な非核化と恒久的な平和定着の達成に向けた外交的努力の支援に向けて協力していくことにした”と明らかにした。
国連安保理の北朝鮮制裁決議に対する徹底した履行の必要性にも共感した。
チョン・ギョンドゥ国防部長官とパトリック・シャナハン米国防長官代行、岩屋毅防衛相は同日、第18回アジア安保会議(いわゆるシャングリラ対話)が開かれているシンガポールのシャングリラホテルで100分間会談した後、このような内容の共同マスコミ発表文を発表した。
韓米日の国防長官は1日に行われたシャングリラ対話本会議の演説でも異口同音に’外交的解決’を強調していた。
チョン·ギョンドゥ国防部長官は”(北朝鮮の核問題が)外交的に解決できるよう軍事的な部分でも余地を残しておく点が最も重要だ”と述べ、シャナハン代行も”外交を通じてでも”韓半島の最終的かつ完全に検証された非核化”(FFVD)を達成することができる”と強調した。
岩谷防衛相は、米朝間の1回目の首脳会談は”たくさんの期待と希望を与えた”、”文在寅大統領に深く感謝を表する”と述べた。
共同マスコミ発表文はまた、”3国長官は、北朝鮮の不法海上積み替えを抑制・防止・根絶するための持続的な国際協力を含め、国連安保理決議を徹底的に履行するという国際社会の公約が重要だという点を強調した”と伝えた。
そして”検証可能で不可逆的な方式で北朝鮮の完全な非核化を求めるすべての関連国連安保理決議により、北朝鮮が国際的義務を徹底的に順守することが国際社会の共通の目標”という点でも共感した。
3国長官は同日、北朝鮮の最近のミサイル発射に対する各国の評価を共有し、動向を注視しつづけていくことにした。
ただ、これに対する対応策などについては一部”視角の差”があったという見方が出ている。
特に岩谷防衛相は冒頭発言で”北朝鮮の先月の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議に明確に違反すると考える”とし”北朝鮮が誤った判断をしないようにすることが重要だ”と述べた。
さらに、3国長官は3国が主導する3者・多国間安保協力が域内の平和と安定を維持するのに重要な役割を果たしていると強調し、情報共有、高官級政策協議、連合訓練を含め、3国安全保障協力を増進させていくことにした。
米国は韓国と日本に対する”徹底した安保公約”も再確認した。
今回の会談では、域内の安保懸案も話し合われた。
共同マスコミ発表文は”3国長官は規範に基づく秩序が重要だという点で意見が一致した”、”航行と上空飛行の自由は保障されなければならない、すべての紛争は国際法の原則によって平和的に解決されなければならないという点を再確認した”と明らかにした。
これは、中国の南シナ海領有権強化の動きを念頭に置いたメッセージと解釈される。
シャナハン代行は冒頭発言で、”米日韓3国間会議は、完全に自由に開放されたインド太平洋地域の価値と原則を維持するうえで重大な(critical)もの”とし、今回の会談で’航行の自由’問題が取り上げられることを示唆していた。
3国長官はまた、域内国家間の軍事的信頼構築が重要であることで認識を共にし、これを制度化するための協力を強化していくことにした。
（終わり）
まず、気になったのは「岩谷防衛相は、米朝間の1回目の首脳会談は”たくさんの期待と希望を与えた”、”文在寅大統領に深く感謝を表する”と述べた」という部分。本当にこんなことを言ったのだろうか？ 「文在寅大統領に深く感謝を表した」となると、日本は、今後も韓国に米朝の「仲裁」を期待するという意思を示したとも解釈されてしまうのだが…。
この部分は、同じ内容の記事の聯合ニュースの日本語版には記されていない。
日本の報道でも探してみたが、見当たらなかった。岩谷防衛相は、本当に、こんな発言をしたのだろうか？ （していないのに、韓国側が願望でこう記した可能性もある）
北朝鮮の最近のミサイル発射への対応策などで「一部”視角の差”があった」という部分は、もっと具体的に知りたいところだが、ここが関連すると読める。
「岩谷防衛相は冒頭発言で”北朝鮮の先月の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議に明確に違反すると考える”とし”北朝鮮が誤った判断をしないようにすることが重要だ”と述べた」
つまり、及び腰の米韓に対し、日本ははっきり「今回の北のミサイルの発射は安保理決議に明確に違反する」と主張したということらしい。
「米国は韓国と日本に対する”徹底した安保公約”も再確認した」とあるが、これは米国が韓国にしっかり再確認した、ということだろう。
