きょう(5月27日)の北朝鮮の労働新聞に、こういうタイトルの記事が掲載されました。
(以下、引用)
最近、日本の警察は《北朝鮮による拉致の可能性を排除することはできない》としていた《特定失踪者》が国内で発見されたと発表した。
この《特定失踪者》は男性で、26歳の時の1992年5月、神奈川県横浜市の自宅を出た後、長い間、行動を隠していたという。警察は今年4月、現在、彼は生きており、以前は陸上《自衛官》だったことが確認されたという。
この事実は、行方不明者を見つけるのが難しいたびに日本反動が口をそろえて騒いできた拉致の訴えがどれほど荒唐無稽な詭弁で、悪質な捏造説かということをはっきりと実証している。
2004年6月6日未明、新潟沖に一人で漁をしに出かけた小山修二が行方不明になった時も、日本反動は何の根拠もなく、むやみに《北朝鮮によって拉致》された可能性があるとしていた。
これも荒唐無稽な捏造だった。小山修二は9年後、千葉県の中古船舶輸出入会社の敷地内で、漁網にからまって白骨化した状態で発見されたのだった。
それだけではない。
2015年には神奈川県、鳥取県、長野県で《北朝鮮によって拉致》された可能性があるとしていた行方不明者が生きているまま発見された。2016年には東京都で行方不明だった人を31年ぶりにようやく見つけた。
過去はもちろん、今回も《特定失踪者》が日本の地で発見されたことで、行方不明の原因を他人に押し付けようとした日本は、再び世界の嘲笑の的になってしまった。
日本で行方不明者が増えている原因は、反人民的で反動的な社会制度自体にある。
債務、失業、家庭内暴力、学業困難などの理由で人々が列をなして人間世界に背を向けている。
そのうちの少なからぬ人々が、自殺の道を選んでいる。
日本の自殺率は世界平均水準に比べて60%も高い。自殺率が史上最低だったとした2015年でさえ、その数は2万5 000人に達した。
人生の終盤で生活をこれ以上維持できなくなった人々が、名勝地や川辺、奥まった森や谷間などに足を運び、自ら命を絶つ。日本には自殺の森もあるのだ。
その他の多くの人々も人間世界との接触がほとんど途絶えた離れた所へ行って一人で暮らすという。彼らは家族、親友とも関係をすべて断ち切り、一人で野生の動物のようになって生き、生命を終える。
それで中国のある雑誌が、日本では1990年代から毎年10万人ずつ、人間世界から《蒸発》すると主張したほどだ。
問題は、日本の反動が国内で氾濫するあらゆる社会的悪習によって生ずる多くの行方不明者を皆、我々と無理に結びつけ、顔を一度赤らめることなく、《拉致被害者家族集会》のようなものを頻繁に行い、反共和国(北朝鮮)騒動に狂奔していることだ。
本来、物事がきちんと進むには、《特定失踪者》が発見されるたびに、深刻な内部矛盾によって発生した行方不明者問題にひっかけて我が共和国の尊厳を傷つけようとしたことに対して、日本当局が直接、謝罪するのが正しい行いである。にもかかわらず、日本の反動は依然として、行方不明者問題を拉致問題化するために悪戦苦闘している。過去の罪悪の清算からなんとかして逃げようという底意の現れだ。
深刻な拉致問題(の責任)を抱えているのは他ならぬ日本だ。
今日も多くの日本人たちが、16世紀末に我が国であった文禄・慶長の役について《人狩戦争、文化財略奪戦争》と評している。その当時、日本の侵略者たちは10万人の朝鮮人を手当たり次第に拉致して奴隷や性奴隷に転落させた。
20世紀前半期に日本は、我が国を軍事的に占領し、拉致犯罪の実行を国家政策として決めた。(日本が)中日戦争を挑発して以降だけでも840万人余りの朝鮮の人々を誘拐、拉致、強制連行し、死の戦場と工事現場に追いやった。誘拐、拉致した20万人の朝鮮女性たちを、日本軍の性奴隷に転落させ、彼女たちの青春と生命を無残に蹂躙した。
歴史上、空前絶後の特大型拉致犯罪を起こした日本が、過去の罪悪をまったく清算する考えもなく、逆に、国内で行方不明になった人々を我が国と故意に結び付けているのは、反共和国謀略策動の極致である。
そんなことをしても、過去の罪悪の責任から逃れない。
日本は、他国に言いがかりをつけるような汚い悪習を捨て、過去の清算を正しく行わなければならず、我が共和国の尊厳を傷つけようとしたことに対しても、当然、謝罪しなければならない。
リ・ギョンス
(終わり)
いちおうリ・ギョンスなる人物の署名記事の体裁にしてはいますが、名前だけで、どういう立場の人かまったく不明。ですが、そんなことはどうでもいいこと。要するに、労働新聞にこうして掲載されたということは、これが北の政府見解だ、ということです。(そこをあいまいにするために、架空の(?)個人名を持ってきたと推定されるが)
そして、われわれ日本側は、この主張を「あの(愚かな)北朝鮮だから…」というような諦めまじりの甘い見方で看過してはならないと思います。
北は、こういう認識を持ち、こういうふうに主張した、とまっすぐに受け止めて、対応すべきです!
それにしても、北も南も、思考方法や態度がまったく同じ、つくづく、やっぱり同じ民族だと思いませんか?
自分の非は一切、認めず、逆に、日本側に言いがかりをつけて謝罪を要求する。(もちろん補償も)その理由はまったく荒唐無稽。しかし、それを堂々と主張して恥じない。
本当に、嫌になりますね。